Sin

ドクン、と。

心臓が大きな音をたて、シンは小さな掌で胸元を押さえた。

算数が好き。ジャックとの共通点。

『父さん似……だな』

カチカチと小さな音をたててコンロに火がつく。お湯を沸かし、カップを用意しているジャックの背中を見つめる。

父さん。

お父さん。

シンはぎゅっと手を握った。

言える、だろうか?

「お、……」

喉元まで来ている単語が声にならない。

ジャック、どんな顔する?

笑う? 泣く? それとも……?

「お、と……」

ふっとジャックが振り返った。体中の血が一斉に顔に集まった気がしてシンは口ごもる。

「どうした? シン」

優しい笑顔。大好きなお父さん。

言いたい。呼んでみたい。

……のに。

「お……おなか空いた!」