Sin

「確かにこれだけを見たら“シン”と読んじゃうかも知れないな」

だろ? と、シンはどこか得意気にジャックを振り返る。

「そうだ。俺、名前書くときこの綴りにしよう」

手の平に“Sin”と書き、シンは満足そうに笑った。

「良いかもしれないな」

「な、いいだろ? アルファベット三つで覚えやすいし」

ジャックは小さく笑いながら頷く。スペルを覚えるのが苦手なシンも、好きな数学と関係のある綴りなら忘れないだろう。

「シンは本当に好きなんだな」

「何が?」

「数学……じゃなくて算数が」

うん、と深く頷くシンにジャックは言う。

「僕と同じだな」

「ジャックも算数好きだったのか?」

ああ、と答えてジャックは立ち上がった。

「シンは“父さん”似って本当だな」