Sin

店主は無言で頷き、シンの頭をぽんと優しく撫でた。

この幼さで理不尽な現実を認めそう決意する事は、決して楽な事では無かっただろうに。

「そうやって頑張ってれば、俺の事分かってくれる人がちゃんと居るんだ。おじさんみたいに、さ」

笑顔でそう言われ、店主は自分が恥ずかしくなった。

狂犬のようだったシンが良い方に変わった事で見直し、こうして彼の存在を受け入れたとはいえ、ルージャの人間自体に対する見下すような見方を拭い切れてはいない。

心のどこかに根付いている、『偏見』という毒草。自分にはそれが無いなどと、決して言えない。

ふと、疑問がわいた。

なぜ、人は自分と違うものを否定したがるのだろう。

なぜ、ルージャの人間が排除されるようになったのか。始めのころは安い賃金で雇える労働力として重宝されていたはずなのに。