Sin

「あ……林檎」

シンはタオルと着替えを乱暴に払いのけ、箱に入っている林檎を手に取った。

赤い林檎。手の平にのせてじっと眺める。

ほんの少し笑みが浮かんだように見えたシンの目に、次第に涙が滲んだ。

『ほら、留守番のご褒美よ』

すん、と鼻をすすり涙を拭う。

一口かじる。甘酸っぱい。“ご褒美”と同じ味。余計に泣きたくなる。

『林檎が好きなのか?』

不意にジャックの笑顔を思い出し、シンは顔をしかめた。