Sin

《Chapter 3
  赤い林檎と変人の笑顔》



次の日。

シンはソファーの上で毛布に包まりじっとしていた。

ジャックが仕事に出掛けてから時計の長針が一回り。シンは“専用ボックス”の上に置かれたバスタオルと着替えを見遣った。

『僕が居ないうちに風呂に入っておいたら良い。新しい服を買うまで僕の服しかないけど、これを着てなさい』

ふん、と鼻をならし、そっぽを向く。誰も見ていないのだけど。

何なんだ、あいつ。訳わかんない。

保護者じゃないっていうわりに俺にあれこれ構うし、構うかと思ったら取引相手でしかないって言うし。

作ってくれたご飯は美味しかった。悔しいけど。

シンは膝を抱えてため息をついた。

静かだ。時計の音以外聞こえない。