Sin

母さん、ひどいよ。

俺に死んで欲しかったのなら。俺を殺したいのなら。

どうして生まれた時にそうしてくれなかったの?

どうしてあの時抱きしめたりしたの?

どうして俺を生んだりしたの?

どうして……




気を失い、倒れたまま放置されたシンの涙と血で濡れた頬に雨粒があたる。

『ルージャの奴なんか死んじゃえ!』

大人達に吹き込まれた嘘を素直に信じ、シンに石を投げつけていた子ども達は家へと走り帰った。

雨はどんどん強くなる。

「……ジャ、……ク」

意識を取り戻したシンが最初に探したのはジャックの姿だった。

ジャック、心配してるかな。

ジャック、怒ってるかな。

酷い傷を負い、動けなかったシンは掠れ声でジャックを呼んだ。答えは返ってくるはずもなく。

シンはぼんやりと自分の身に起きた事をたどってみた。

……母さん、本気だった。俺の事殺そうとしてた。

“生まなきゃよかった”

母親の声が何度も耳に響く。心臓を貫いた言葉の剣がさらに深く傷をえぐる。

俺、やっぱりいらない子だったんだ。この世界にいらない、汚いクズだったんだ。

雨に混じる涙。シンは呻いた。

あまりに苦しくて、苦しくて、苦しくて。息をするのも嫌になった。