Sin

シンはすぐさま近くにあった本をジャックに投げ付ける。

カップを投げなかったのは、温かいミルクがものすごく美味しくていたましかったから。

「ふざけんな!」

ジャックは胸の辺りに命中した本を拾い上げた。堅表紙じゃなくてよかった、と独り言を言う。

「保護者気取りすんな! ヘドが出る、そういう奴!」

「僕は保護者じゃない。取引相手だ」

ジャックの言葉にシンは一瞬戸惑った。

「名前、教えてやっただろ? 忘れてないよな、交換条件」

「……一緒に飯食う事と、盗まない事」

「その通り」