Sin

「買いたい物があったらこの中から買う事。例えば」

「林檎とか?」

即座に尋ねたシンに、ジャックは声をたてて笑う。

「シンは本当に林檎が好きなんだなぁ」

ぐりぐりと頭を撫でられた。こういう時のジャックの手、あったかくて好きだ。

「林檎は食費で買うよ。例えばノートとか、お菓子とか」

「でも、2リアは多くない? 林檎二十個分なんてさ。俺、そんなに欲しい物ないぞ」

うん、とジャックは頷く。

「貯金して大人になってから使うもよし、欲しい物に使うもよし。シンが自由に使えるお金だ」

ただし。ジャックは真剣な表情をした。つられてシンも真面目な顔になる。

「使う前にじっくり考える事。了解?」

シンは大きく頷いた。

「了解。ありがと、ジャック」