Sin

「だからかな。不安だったし怖かったのに、気付いたらジャックについてってた」

そうか、と頭を撫でてくれるジャックの目が優しくて。

シンはジャックにぎゅっと抱き着いた。

お酒に酔ったせいかも知れない。ミーミルみたいに素直に甘えたくなった。

ジャックの頬に小さくキスをし、囁く。

「……ついて来て、よかった、」

お父さん。

最後の言葉は心の中で言い、ジャックにもたれたままシンは幸せそうに目をつぶった。




膝に頭をもたげ、静かに寝息をたてはじめたシンの髪を撫でながら、ジャックは深いため息をついた。

どんなに酷い言葉で傷つけられても、酷い仕方で棄てられても。

それでもなお母親の温もりを求めるシンの姿に、胸の奥が痛んで。

その痛みが消えるまで、ジャックは何度もグラスを空けた。