Sin

帰り道、シンは来た時と同じようにキャスケットを深く被り、ジャックの手を握って商店街を通り抜けた。

ただ、感じる不安の大きさは来た時と違って小さくなっていて。

『僕の自慢の息子です』

『僕、シン君と友達になりたい』

ふと、手の平を見つめる。セイジの手の温もりを思い出す。

反対側の手を握っている温かいジャックの大きな手。

俺、いいのかな。

生きててよかったって、生きてていいんだって。

“くず”じゃ無いんだって。

そう思って、いいのかな……。


温かいぬくもりが心を満たし、人々の冷たい視線も余り気にならなかった。