Sin

ぽす、と。

ジャックはシンの頭に帽子をのせた。目元まで隠れるくらい大きなキャスケット。

「なんだよ、これ」

「歩いてく途中、怖くて人を見たくない時に深く被ればいい。少しは気が楽になるかと思ってね」

そして、ぎゅっと抱きしめてくれた。広くて温かい腕の中、シンは目をつぶり、ゆっくり息をつく。

「大丈夫。ちゃんとそばに居るからな」

何故なんだろう。不安が溶けていき、震えが止まる。

「さあ、行こうか」

ジャックは立ち上がり、シンに手を差し出した。


一歩、前へ。

ジャックの大きな手に引かれ、シンは外へと踏み出した。