Sin

3.14159265358979323846264338327950288……

「何だよ、そのやたら長い数字」

「本物の円周率だ」

これ以上は覚えてない、とジャックは手を止めた。

「こうやって、ランダムに数字が続く。本当の円周率はどこまでいってもはっきりした答えの見えない、割り切れない数字なんだ」

興味をそそられたようで、シンは身を乗り出して紙を覗きこむ。

「気が遠くなりそうな桁まで計算している数学者も居るが、今だ円周率は割り切れていない。どこまで行っても“正解”が見えない。そういう数字なんだ」

へぇ、と感心しているシンを優しく見つめ、ジャックは続ける。