Sin

「……やっぱり俺の事嫌いになったんだろ」

ジャックを睨んでいるシンの目が不意に潤んだ。

「ジャックも俺の事要らないんだ! 不潔だから一緒に居たくないんだ! そうなんだろ?」

そう言われるのが怖いから先に口にする。先に自分で期待を踏み付けておき、他者から受ける痛みを和らげようとしている。

シンの言葉に隠れている心理を想像すると、微かに感じていた怒りは消え逆にやりきれない気持ちになった。

「ルージャの子になんかなりたくなかった。……ジャックなら分かってくれると思ってたのに」

シンはジャックを睨んだまま呟いた。ぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。

そして自分に言い聞かせるように繰り返す。

「俺、好きで汚れたんじゃない。好きで、こんな姿してんじゃない。俺は」

「3.14」

唐突にジャックが呟いた数字に、シンは言葉を止めた。