Sin

だから算数にしようと言うシンに、ジャックは腕でバツ印を作ってみせる。

「算数は半分も進んだのに国語はまだ挨拶しか出来てないだろ? しかもスペル間違えて覚えてるし」

シンの唇がくちばしのようにつんと尖る。

「今日は挨拶の復習と単語練習一時間びっちりだ」

「ちぇーっ、次は円周率だったのにな」

シンは渋々国語のドリルを開き、見本に倣って単語を書きはじめた。

なんだかだ言って、勉強が始まると真剣な表情になる。よろよろした頼りない感じの文字とは対称的だ。

出会った頃と比べると幾分ふっくらした、まだあどけなさを感じる輪郭。きりりとした目元、つんと高い鼻筋、きゅっと引き結んだ口許。

シンは将来いい男になりそうだな、とジャックは頬杖をつきながら心の中で呟いた。