Sin

「ジャック、お願いがあるんだ」

夜になり、食事を終えた後。

泣きすぎて腫れたまぶたをさらに擦りながらシンはジャックに言った。

「また悪夢見ると思うと、怖い。だから」

迷うように視線が泳ぐ。ジャックは膝をつきシンと目線を合わせた。

「……そばに……居て、くれないか」




薄い生地のカーテンをふわりと靡かせて、窓から涼しい風が入ってくる。

ロフトベッドの上、ジャックは隣で寝息をたてているシンを見つめた。

『俺、ジャックの言うことすぐには受け入れられない。自分がいい子だなんて思えないし、汚れてないなんて思えない』

時々言葉に詰まりながらシンはそう言った。

『だけど……生きてみる。ジャックが助けてくれたから、ジャックが一緒に居てくれるから』

シンは涙目で微笑んで続けた。

『……生きて、みるよ』


そっと頬を撫でる。

シンはジャックの左手を縋るように掴んでいる。

『そばに……居て』

「大丈夫。ここにいるよ」

つ、と。眠っているシンの目から一筋の涙が零れ落ちた。