Sin

ぱん!

思わず頬を叩いていた。ジャックがシンに手をあげたのはこれが初めてだった。

「この、バカ! どうして何も言わずにこんな……!!」

げほ、げほと咳込むシンを抱きしめる。それ以上言葉が出てこない。

震えているジャックの腕の中、シンはぼんやりと周りを見回した。

叩かれた頬が、痛い。痛いって事は俺、死ねなかったんだ。

「……母、さん?」

掠れた声に、ジャックは腕の力を緩めてシンを見た。

「母さん、どうして俺を助けたの?」

声を出すのが苦しいようで、話す度にげほ、と咳込む。

「な、母さん……死んでって言ってたのに、どうして?」

まだぼんやりしているシンには、ジャックが母親の姿に見えていた。