Sin

《Chapter 2
  交換条件と彼の願い》



その日の夜中。

ベッドで寝ていたジャックは、がさがさと何かが動く音で目が覚めた。

続いてガタ、と戸棚が開く音。

ああやっぱり、とジャックは軽くため息をついた。

何か盗んで出て行くんだろう。そうなるだろうと予想はしていた。

盗られて困るほどの金は家に置いていない。盗られて困るような手放したくない物も特に無い。

ジャックは小さな泥棒をそのまま見送ろうと目をつぶったが、ふと疑問が脳裏を掠めた。

彼はこの先盗みを続け、人から睨まれ疎まれながら生きていくのだろうか。

――それで、いいのか?

否定の解答がジャックの中ではじき出され、彼は起き上がって電気をつけた。

突然明るくなった事に驚いて少年は振り向く。