Sin

「分かった、触らないから物を投げるな」

ジャックが言うと少年は手を止めた。震えながら肩で大きく息をしている。

「ほら、毛布だ。ベッドで寝る気が無いならソファーで寝ろ」

少年は毛布を奪うように受け取り、ジャックを睨んだ。

「お休み」

そう言ってジャックはベッドに上がった。姿を消した方が少年は安心するだろう。

しばらくして、ごそごそとソファーに横になる音がした。

ベッドの上で胡座をかいたジャックは手帳を開き、少し考えて書きはじめる。


『今日、小さな獣と出会った』


ジャックが手帳を閉じる頃、温かい毛布の誘惑と睡魔に負けた“小さな獣”はソファーの上で浅い寝息をたてはじめていた。