「適当に座って?」


銀の部屋に入りあたしは明らかに挙動不審になっていた。 


今まで男の子の家に遊びにきたこともないし、妙に緊張する。


それも大好きな銀の家だからなおさらだ。


緊張を少しでも紛らわせようと、キョロキョロと首を左右に振り部屋の中を見渡す。 


「銀て綺麗好きなんだね?」


そこであることに気がついた。


綺麗に整頓されている本棚。


埃一つ落ちていないフローリングの床。


小さなテーブルの上にはテレビのリモコンがちょこんと置かれていた。
 

「今日は佐奈が来るかもしれないと思って片付けたんだよ」


そう言うと銀はベッドに腰掛けた。