「あの……」 屋上へ着くなり男の子は大きく背伸びをした後、地面に横になった。 自分の家のようにリラックスしている男の子。 「今日2月のわりには暖かくない?」 「あ……うん」 あまりに拍子抜けした男の子の言葉に、ピーンっと張り詰めていた緊張の糸が解けていく。 金髪の長い髪を風になびかせながら目を瞑る男の子。 長い睫毛に整った眉。 鼻筋の通った小さな鼻に薄く柔らかそうな唇。 耳に付けられたシルバーのピアス。 目を瞑っているのをいいことに、あたしは男の子の整った顔をボーっと眺めた。