「……あ……うん」


あたしのこと考えてくれてたんだ……。


銀の言葉に胸がポカポカと温かくなる。


「じゃあ俺、そろそろ行くわ。次の時間世界史らしいし」


「世界史の授業だと早く戻らないといけないの?」


「単位が足りないんだよ。俺、世界史サボりまくってるからさ。じゃ、また後でな?」


首を傾げている真理子にそう言うと、銀はあたしの頭をポンっと叩き、体育館から小走りに出て行った。