昨日の雨がうそのようによく晴れた今日。 学校の門をくぐると、昨日の雨でほとんどの桜が散り落ち、咲いてるのはごくわずかだった。 今日、大きな風が吹いたら全部散ってしまいそう。 「元気ない?」 「うわっ、びっくりした……」 急にゆずが目の前に現れて思わず顔をひいた。 「さっきからいたのに、気づいてないのは春ちゃんでしょ?」 「え? あ、ごめん……桜が……少なくなったなと思って……」 「……そう、だね……」 寂しそうに桜を見つめるゆずの横顔。