キーンコーンカーンコーン。 5限を知らせる予鈴で現実に引き戻された。 「次、岡田先生の授業でしょ? 遅刻するとまた怒られるよ?」 ゆずがそう笑うからわたしもつられて笑顔になる。 そうだった! 岡田の授業に遅刻することは厳禁! また、進級させないとか言われたら大変だもん。 ゆずとの楽しい時間を惜しみながらも屋上を後にする。 教室に戻って屋上を見ると、そこにゆずの姿はもうなかった――。