安心感というか安堵感というか……。 温かい気持ちが伝わる。 しばらく咲来に抱きしめられていると、ふんわりと暖かい春の風がわたしと咲来を包む。 「キレイじゃね?」 そっと咲来がわたしを引き離すと、風に誘われるかのように桜の花びらが落ちてくる。 1枚、また1枚と次々に落ちるピンクの花びら。 「このまま風が吹き続けたら、明日くらいには散っちゃいそうだね……」 「だな……今年はこれが最後かな……ゆずさん、見てますか?」 繋いだわたしの右手を咲来が上に上げて手を振る。