「あ、うち、すぐそこだから……ありがとう」 「ん、気をつけろよ?」 細い路地に入る手前で咲来と別れる。 「あ、春! ……あ、いや……ゆっくり休めよ?」 何か言いかけた気がしたのはわたしだけかな? 「うん、ありがとう……」 そう、笑顔を返してわたしは家に向かった。 誰もいない我が家。 お母さんは多分、仕事。 自分の部屋に入って布団に入る。