「ああたしも帰りますね?」



落ち着かなくて、かりんとうの袋を持ちながらそう言うと、矢吹先輩は、あたしに手を差し出してきた。



「俺にもくれよ」



矢吹先輩かりんとう食べるんだ?なら、悪い人じゃないのかな?かりんとう好きな人に悪い人居ないって言うし。



「なら、はい……」



矢吹先輩の手のひらにかりんとうを乗せる。



「これじゃイヤなんだけど?」



「じゃあどれがいいんですか?」



「クス……これだよ」


「……むぐ!!…んっ……」



矢吹先輩は、ニヤリと笑ってあたしの腕をグイッと掴むと、口の中にムリヤリ押し込み、さきっぽをカリッと食べたのだ。



「甘いな……かりんとう」



口についたカケラを器用に舌で舐めとりニヤリとした表情をした。



「ななな何するんですか!!」