「……兎に角、明日から宜しくね?」



矢吹先輩は、手をパンパン叩くと甘い笑顔を浮かべた。



あたしは、ぷいっと横を向いてかりんとうをとろうとしたら、矢吹先輩の手を掴んでいた。



あ……



どうやらあたしが掴もうとしたのは、かりんとうじゃなくて矢吹先輩の手だったみたいだ。



矢吹先輩は、クスっと笑っていた。あたしは、恥ずかしくてすぐに矢吹先輩の手を放しかりんとうを掴む。



「じゃあ、俺達はこれで……社長さん、メールして良い系?」



いつの間にか矢吹先輩とアドレス交換をしていたらしい。矢吹先輩は、笑顔で頷くと、メンバー達は帰って行った。



社長室に残ったのは、あたしと矢吹先輩で、さっきまでの賑やかさが嘘のように静かだ。