「亜佐美どうしたんじゃ!」



「平気か?」



「う……うん……」



多分、コジロウのせいだろうから。



「わふ?」



コジロウは、首を傾げながら吠えたような気がした。いつも吠えた時は、首を傾げながら吠えるからだ。



だから、真っ暗でコジロウの顔が見えなくても、なんとなくあたしはそう思った。