慌てたように矢吹先輩が言う。言いおわると、あたしを見て甘い笑顔を浮かべた。



「矢吹先輩は、キス魔でした」



「え?!」



矢吹先輩は、驚いた声を上げ目を見開く。



それから、あたしは一つ一つ思い出しては矢吹先輩に言った。あたしは、迷子になった時点で部活の事はすっかり忘れてしまっていたのだ。



矢吹先輩は、あたしの言葉をウンウン頷いたり驚いたりしながらもちゃんと最後まで聞いてくれた。



あたしは、やっぱり好きなんだ。矢吹先輩が……