「っ……はい」



あたしの瞳から涙が出ているのに気付いた矢吹先輩は、あたしの涙を長い指で拭ってくれる。



『らぶんってじゃねーよ!』



最悪あの犯人……!



犯人は、前を向いたまま言い逃げして言った。





後ろからは、中年のオバサンが走っている。犯人に奪われていったパンツを取り戻したい一心なんだろう。


「アンタのせいで、逃げられちゃったじゃないの!罰として、サインもらってきなさいよ!」



あたし達の側まで来ると、オバサンはそう言う。