変な声と共に、あたしはガシッと何かを掴んだ。



「え!」



だけど、あたしの手のひらには、青の携帯じゃなくて、矢吹先輩の手がしっかりと握られていたのだ。



なななんで?!携帯だと思ったのに……




「へぇ〜お前ってそんなに俺の腕が欲しいのか?」



「いらないですよ!」



「俺もイヤだよ。腕やるのは……」



……ぷっ……



今笑ったらダメだけど、言い方が!可愛いかったよ!


イヤだよと矢吹先輩が言った時、あたしは可愛いと思ってしまったのだ。
少し、唇を尖らせて言う矢吹先輩は、まるで子供がイヤだよと言ったように可愛いかった。