だって見るからに怖そうだもん。きっとあたしが話しかけたら、怒られちゃうよ。



甘甘王子派は、城之内先輩派に対立する可能性もあるって聞くし。



もちろん、あたしは甘甘王子派だから、城之内先輩の側は寄れない。



匂いとかで分かるって前に言ってたし、校内放送を使ってまで呼びかけしてた程だから。



因縁って言うのがあるんだろうな。分かんないけどさ。あたしには……



「そう言えば、キミ名前は?」



甘甘王子は、思い出したようにそうあたしに問い掛けて来る。



「あ亜佐美って言います」



やっぱり憧れていたからか、甘甘王子と話すのはあたしにとってすごく緊張する事だ。



しかも、あたしの名前を聞いてくれるのもすごく緊張する。多分、名前なんて呼ばれたらあたしは、胸キュンして顔なんて全く見れないかもしれない。