「矢吹先輩は、見ないんですか?」



「は?俺……」



「はい」



二万するんだから、普通見ると思うし。


「俺……好きな奴のしか興味ないから。じゃあな?」



バタンと閉まるドア。あたしは、少しだけ矢吹先輩の言葉に赤くなった気がした。



「え!ちょっとあたし、買って来ましたよね」



ドンドンドアを叩く。でも、返事など何もしてくれなかった。



「矢吹先輩!」



ガチャン



「何?うるさいんだけど」