「あ、オレもバスケ」
思い出したように
南が口を開く。
瞬間、星也さんの
顔がわかりやすいほど
異常にくもる。
「お前、女子に
モテたいからって
バスケ部入るのは
間違ってんぞ」
「んなこと思わない」
「じゃあなんだ?
杏が入るからか!?」
「それ今知ったし」
…ってことは
部活の時も
こんな騒がしい
かんじになるんだ。
あたしは2人に
バレないよう
そっとため息を吐いた。
…そうしてしばらく
3人で歩いていると
学校が見えてきた。
と、同時に女子の
悲鳴に近いような声。
「きゃー!!
日向さーんっ!」
「和斗くーん!!」
「あの2人
絵になるーっ!!!」