「杏ーっ! 行っちゃうぞー!」 「ま、待って待ってー!」 練習が終わって お風呂から出た。 あたしがつい 湯船でぼんやり していたら いつのまにか みんな上がっていて、 大分遅れをとった。 「あ~もういいや!」 髪も適当にしか 乾かさずに パタパタと走った。 そして渡り廊下に さしかかった頃、 男バスが使っている 体育館に灯りが見えた。 気になったあたしは 体育館へと歩きだす。