すると星也さんは あたしの髪を さらりと触る。 「似合ってるよ。 かわいい」 「えっ…!」 いつもの星也さんからは 考えられないほど 優しい言葉と表情。 でもその瞳は なんだか熱を 帯びていて…。 あたしは目が 離せなくなった。 なにかを 言うわけでもなく、 ただあたしを 見つめる熱い視線。 な、なんだろう…。 絡み合う視線。 近づく距離。 「杏…」 伏し目がちに あたしを見据える 星也さんの瞳は トロンとしていて どこか色っぽい。 低く囁かれた声も 甘い響きを帯びている。