「…鈴、ほんまにどうしたん?」 剛はそう言ってあたしの顔を覗き込む。 あたしは泣き顔を見られるのが嫌でパッと剛から離れる。 「ご、ごめん…なんでもないっ。」 「なんでもないことないやろっ?」 「ほんまにっ!…何でもないから…。」 あたしはそう言って自分の家へ走って帰った。 「鈴っ!」 後ろから剛があたしを呼びとめる声が聞こえたけど… 振り向かなかった…。