「…俺には…大切な人がいます。 その人を置いてアメリカへは行けません。」 鈴を置いてアメリカへなんか…絶対行けへん…。 「…成程。」 社長は少しの間、顎に手を当てて考え事をしていた。 「…すいません。」 「…んー…。どうしても…だめかね?」 社長は、俺を見ながらそう言った。 「え…。」 「私は…君を我が事務所に入れたいんだ。 2年が嫌ならせめて1年でもいい! …考え直してくれないか…。」