さて、時節にあわぬ薄紅梅の重ねをお選び申し上げたのは、妃のお好みになる香とおあわせになったもので、二年前の桜の夜にも、同じ薄様にお文をお書きになったのを思い出されてのことにございます。
(……姉上……)
しずしずとお進みになる車からお離れになって、一の君は、物見の人のうちを踏み分けて行かれます。
(……姉上……)
しずしずとお進みになる車からお離れになって、一の君は、物見の人のうちを踏み分けて行かれます。
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