射止められたのは私だった。 道に咲く花を見た時のように、 ごくごく自然に吸い寄せられた視線の先。 彼の種のもつ毒々しさを忘れさせる、どこか高貴で柔らかい色。 誰にも触れられぬ隙間に入り込む細長い肢。 ぷくりと曲線を描く体を器用にこちらに向け、目を合わせた彼。