「兄貴は・・・ 知ってますよね。 事故で亡くなったこと。 あの事故で俺はオヤジと兄貴を亡くしました。 こころの中に穴が開いたような感じで毎日を過ごしていて・・・。 そしていつの間にか兄貴の年も追い抜いてしまいました」 苦笑しながら話す彼。 顔を上げられないアタシ。 「正直、 今も辛いときあります。 でもこのままじゃいけないと思って毎日過ごしています。 寿賀野さんは・・・兄貴とは・・・?」 「・・・初恋の人、だったんです」 ぽつりと答える。