「ま、いいけどね」 彼は言った。 「で?美月はなんで ここにいるわけ? 俺に会いにきたの?」 そんなこと言わんといてよ。 ホラ、彼女が睨んでる。 きっと彼女、アンタのこと好きだから。 「こないだのノートを返してもらいにきた」 アタシは事務的に答えた。 もう何回この台詞言っただろう。 さっさと返してくれたらこんなにならずにすんだのに。 「ノート?」 彼は思い出すように腕を組んだ。