「リイエンを狙って来たか俺を狙って来たのか分からんが…どちらにしろ生かしておく訳にはいかねェな」

危険だと判断したのだろう。

言葉と同時、子供に翳したレンバルトの掌に何か光が生まれるのを見て、リイエンはようやく我に返る。

「…駄目!」

慌てて身体をレンバルトと少女との間に割り込ませて。

「…そこを退け、リイエン」

攻撃を邪魔されたレンバルトが眉をしかめる。

「…ッ、嫌よ」

リイエンは青年を睨み付けた。

この子は自分が巻き込んでしまった、あの村の生き残りなのだ。

これ以上命が奪われる様を見過ごせない。