言われた通りにするのが一番良いのだと、分かっている。

(…分かっているけれど)

ターニャが産まれた時からこれまでずっと、妹のように可愛がって来たのだ。

寂しさやそれに付随する感情から、素直に同意の言葉を言い出せない。

「…そんな顔をするなよ。食っちまいたくなる」

落ち込んで肩を落としたリイエンの額に青年が口付けた。

「…な、な、な…ッ」

また言葉が出て来ない。

リイエンは顔を赤くさせて、柔らかく口付けられた額を掌で押さえる。