まんまるの月の光と夏の夜風に誘われて、煙草とライターだけを連れ、裸足でサンダルを弄ぶように歩く。



真夜中。

人通りもない道を引きずるサンダルの足音だけ響かせ、取り残された気分を味わいながらアパートの裏手に流れる川のフェンスにもたれ、ようやく煙草に出番を告げる。