すると何処からともなく、犬の鳴き声が聞こえてくる。

辺りを見回せば、段ボール箱があるのを発見。

駆け寄って中を見てみるとそこには白い小さな子犬。

未だにこんな事をする人っているんだね。

家で飼えるかな……?多分大丈夫だよね!

段ボールごと持って帰ろうとしたら、子犬はまだ不安そうに吠えている。


「怖いの? 大丈夫だよ。もう1人じゃないから……っ!!」


頭を撫でてから、ふと暗がりになっている路地に視線をやれば。

肩から血を流して壁にもたれかかっている男の人に気付いた。

子犬の傍から離れて、その人に駆けよれば肩だけではなく、

あちらこちらに擦り傷やら切り傷があった。