この夜も、月が清かに左大臣邸を照らしておりました。 降ろされた御簾の内から漏れる明かりを遮って、一の姫の陰が静かに動く様を、みるともなしに横目にごらんになりながら、宿居なさるのは、一の君そのひとでございます。