学校を出て、可憐と歩く。

春の風が気持ちいい。

ようやく陽射しも
ぽかぽかしてきた頃だ。

「ん~、気持ち良いね。」

「そうだな。」

「…ナオはさ、
将来の事考えた事ある?」

突然、可憐が切り出した。

「まだ解らないよ。」

「そうだよね。」

「…でも、1つだけ
決めてる事はあるよ。」

「何?」

「可憐といつか結婚する事!」

「ナオ…。」

「高校出て、大学まで
行けたらの話だけどね。」

「それでも…嬉しいよ。」

「良かった。」

「私、良い奥さんに
なれるように頑張るよ。
…って、気が早いか。」

「夢はどんどん
語っていいんだよ、きっと。
膨らませてそれに近づけるように
努力すればいいんだ。」

「そうだね。」

「いつまでも一緒に、
歩いていこうな。」

「うん。」

可憐の笑顔。

ナオはそれを見て、微笑んだ。