本能的に悟った。
その魂はもうそこにはないこと。
どのくらい自分が意識を失っていたかはわからないが、その間に失われてしまった。
私一人を置いて、二人は逝ってしまった。
もう二度と手の届かない場所へ――
私は二人の上に載っている瓦礫をどけようと必死で左手で持ち上げようとしたけれど、大きく、冷たい石の塊は重くて、びくともしない。
「あっ――あああああっ!!」
声にならない叫びをあげて、私は残骸にこぶしを叩きつけた。
何度も何度も……
もはや、痛みは感じなかった。
絶望と、悲しみ。
そして――
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