砲弾の音を聞きながら目を閉じて、私は胸のロザリオを握り締める。

 母の祈る声が脳裏に響いた……








『天にまします我らの父よ

 願わくは

 そのみ名の尊まれんことを

 み国の来たらんことを

 その旨、天に行わるるごとく

 地にも行われんことを

 我らの日々の糧を

 今日も我らに与え給え

 我らが人を許すごとく

 我らの罪を許し給え

 慈しみに富みし我らが父よ

 我らを試みより救いたまえ

 われらを悪より救い給え








 アーメン――』